2017年1月鑑賞映画メモ(13作品)

①『フィッシュマンの涙』(1/1)

新年1発目。お正月らしく奇抜で賑やかそうな映画を…と思って選んだんだけど
意外としんみりしちゃったし、オフビートなテイストゆえ賑やかでもなかった。
製薬会社の治験仕事の副作用で半魚人と化してしまった青年をめぐる騒動から
日本にも通じる韓国社会の歪みが浮かび上がる、不条理系ブラック・コメディ。
ビジュアルは映画らしく奇抜でもさすが製作総指揮イ・チャンドン監督だから
テーマは極めて社会派でフザケた感じはなく、作品自体の好感度はかなり高め。
でも、韓国映画にしてはサッパリしすぎな感もあり正直喰い足りなさは否めず。
どことなく『pk』とカブる印象もあったかな。いずれ韓国映画には今年も期待!

collective-invention
シネマスコーレの元旦恒例(?)サービスで
お汁粉をいただきました!美味しかった!

『フィッシュマンの涙』(2015年・韓国/カラー/シネスコ/92分)
【監督】クォン・オグァン
【出演】イ・グァンス、パク・ボヨン、イ・チョニ
【配給】シンカ
【5段階評価】★★★☆☆
【鑑賞劇場】シネマスコーレ(名駅)
【鑑賞料金】1,000円(映画サービスデー)

******************************************************************************************

②『疾風スプリンター』(1/7)

もう満腹…。役者もスタッフも命懸け。それに較べたら自分にできることなんて
熱き彼ら映画人たちをリスペクトして2時間オシッコを我慢することぐらいだ!
自転車ロードレースの世界を舞台に若きプロ選手たちの栄光と挫折を活写した
ダンテ・ラム監督作らしく感動と昂奮おかわり無料の特盛スポ根青春ドラマ!
もうヒロインのワン・ルオダンが可愛すぎ!彼女の自転車をアシストしたい!
それがダメなら生まれ変わって彼女の自転車のサドルになりたい!(やめなさい)
年齢的に『激戦』の方が好きではあるけどレース・シーンはド迫力の一語だし
ドラマも恋と友情がテンコ盛りで気恥ずかしくも爽やかなカタルシスが満載!


東京での劇場鑑賞皮切りに相応しい
実に心が洗われる快作でありました。

『疾風スプリンター』(2015年・香港=中国/カラー/シネマスコープ/DCP/125分)
【監督】ダンテ・ラム(『ビースト・ストーカー/証人』『スナイパー:』『密告・者』『コンシェンス/裏切りの炎』『ブラッド・ウェポン』『激戦 ハート・オブ・ファイト』『クリミナル・アフェア 魔警』)
【出演】エディ・ポン、チェ・シウォン、ショーン・ドウ、ワン・ルオダン
【配給】エスパース・サロウ
【5段階評価】★★★★☆
【鑑賞劇場】新宿武蔵野館
【鑑賞料金】1,500円(クーポン使用)

******************************************************************************************

③『人魚姫』(1/8)

リン・ユンかーわーいーいー。キティ・チャンえーろーいー。もう女優が完璧!
凄い…凄すぎる…めちゃくちゃ愉しかった!チャウ・シンチーにハズレなし!
よくも毎度毎度ここまでバカバカしい、だけど、最っ高の映画が創れるもんだ!
お腹いっぱい。七草粥でせっかく休めた胃もまるで元通りな(喰ってないけど)
笑いと涙の波状攻撃でこれ以上ムリってほど満腹必至な中華娯楽おせち映画!
もうオープニングの選曲からしてやりたい放題! 笑えるしキモイし可愛いし、
エロいしクライマックスはいきなり残酷だしだけどラストはマジで泣けるしで
なにしろあらゆる感情を心地好くくすぐられる内に94分なんてアッという間!

環境破壊や共存共栄など喜劇だからこそマジメなテーマを謳うところも好き!
中国マネーを湯水の如く使い中国を揶揄するなんてシンチーにしかできない!
まだ観ていないけどきっと話題沸騰の『ラ・ラ・ランド』を観ても自分は絶対
コッチの方が好きだって言うと思うな。それぐらい2人が歌う場面もよかった!
新春早々こんな景気のいい映画が観られるとは、こいつぁ春から縁起がいいや。
てかシンチーとダンテ・ラムとジョニー・トーの最新作がまとめていっぺんに
しかも全部新宿でやっているってよく考えたらスゲぇ景気のいい話だなオイ!
とにかく面白かった!可愛くてエロかった!早く『西遊記』の続篇が観たい!


シンチーの女優審美眼は相変わらず。

『人魚姫』(2016年・中国=香港/カラー/94分)
【監督】チャウ・シンチー(『0061/北京より愛をこめて!?』『008(ゼロ・ゼロ・パー)皇帝ミッション』『食神』『喜劇王』『少林サッカー』『カンフーハッスル』『ミラクル7号』『西遊記 ~はじまりのはじまり~』)
【出演】ダン・チャオ、リン・ユン、キティ・チャン、ショウ・ルオ
【配給】ツイン
【5段階評価】★★★★★
【鑑賞劇場】シネマート新宿
【鑑賞料金】1,300円(TCG会員)

******************************************************************************************

④『壊れた心』(1/10)

主演が浅野忠信で撮影がクリストファー・ドイルでMVみたいな映像ってそれ、
90年代ミニシアター・ブーム全盛期のレイトショーか! みたいな映画でした。


浅野忠信はすっかり再全盛期ですね。

『壊れた心』(2014年・フィリピン=ドイツ/カラー/73分)
【監督】ケヴィン・デ・ラ・クルス
【出演】浅野忠信、ナタリア・アセベド、エレナ・カザン、アンドレ・プエルトラノ、ケヴィン、ヴィム・ナデラ
【配給】Tokyo New Cinema
【5段階評価】★★☆☆☆
【鑑賞劇場】ユーロスペース(渋谷)
【鑑賞料金】1,200円(会員)

******************************************************************************************

⑤『ホワイト・バレット』(1/12)

病院という生と死が交錯する静謐な場所だからこそサスペンスが冴えまくる!
クライマックスは『エグザイル/絆』をも超え、映画史に残る銃撃戦! 大傑作!


こんな傑作がレイトショーだなんて。

『ホワイト・バレット』(2016年・香港=中国/カラー/88分)
【監督】ジョニー・トー(『過ぎゆく時の中で』『ファイヤーライン』『ザ・ミッション 非情の掟』『暗戦 デッドエンド』『フルタイム・キラー』『ターンレフト・ターンライト』『PTU』『マッスルモンク』『柔道龍虎房』『ブレイキング・ニュース』『イエスタデイ、ワンスモア』『エレクション』『エレクション 死の報復』『エグザイル/絆』『強奪のトライアングル』『MAD探偵 7人の容疑者』『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』『奪命金』『ドラッグ・ウォー 毒戦』『名探偵ゴッド・アイ』『華麗上班族』)
【出演】ルイス・クー、ヴィッキー・チャオ、ウォレス・チョン
【配給】ハーク
【5段階評価】★★★★★
【鑑賞劇場】新宿武蔵野館
【鑑賞料金】1,500円(クーポン使用)

******************************************************************************************

⑥『トッド・ソロンズの子犬物語』(1/24)

トッド・ソロンズ好きにはだいたいどんな話かタイトルだけでちゃんと伝わり
知らない人は可愛い動物ものかと思わせまんまと騙す、なかなか技アリの邦題。


それにしてもいよいよアメリカもソロンズ
の映画そのまんまの救いようのない国に…。

『トッド・ソロンズの子犬物語』(2015年・アメリカ/カラー/アメリカンビスタサイズ/88分)
【監督】トッド・ソロンズ(『ウェルカム・ドールハウス』『ハピネス』『ストーリーテリング』『おわらない物語 アビバの場合』『ダークホース ~リア獣エイブの恋~』)
【出演】ダニー・デヴィート、エレン・バースティン、ジュリー・デルピー、グレタ・ガーウィグ、キーラン・カルキン
【配給】ファントム・フィルム
【5段階評価】★★★☆☆
【鑑賞劇場】ヒューマントラストシネマ渋谷
【鑑賞料金】1,000円(TCG会員ハッピーチューズデー)

******************************************************************************************

⑦『ブラインド・マッサージ』(1/24)

五感の一つが閉ざされているがゆえに、感情がヒリヒリと剥き出しの愛の世界。
ちょいと映像が凝りすぎでムダに血生臭すぎるけど、ロウ・イエらしい野心作。


この映画を観ている内に高熱が出ました…。

『ブラインド・マッサージ』(2014年・中国=フランス/カラー/1:1.85/DCP/115分)
【監督】ロウ・イエ(『ふたりの人魚』『パープル・バタフライ』『天安門、恋人たち』『スプリング・フィーバー』『パリ、ただよう花』『二重生活』)
【出演】ホアン・シュエン、チン・ハオ、グオ・シャオトン、メイ・ティン、ホアン・ルー、チャン・レイ
【配給】アップリンク
【5段階評価】★★★☆☆
【鑑賞劇場】アップリンクX(渋谷)
【鑑賞料金】ポイント鑑賞

******************************************************************************************

⑧『ドラゴン×マッハ!』(1/28)

凄い…凄すぎる。ラスト・バトルの尋常ならざるカタルシスもさることながら
いわゆるアクション映画の文法をいっさい無視してひたすらダークな画作りと
歪なロマンチシズムにこだわるソイ・チェンの暴走暗黒演出にお腹いっぱい!
クライマックスはマジであまりの凄さに、引きつり笑いをしながら涙が出た…。
せっかく熱が下がったのにこんなの観たら違う意味でまた熱が出ちゃったよ!


なんて邦題!ちゃんとSPL2と謳え!

『ドラゴン×マッハ!』(2015年・香港=中国/カラー/120分)
【監督】ソイ・チェン(『ドッグ・バイト・ドッグ』『軍鶏 Shamo』『アクシデント』『モーターウェイ』『モンキー・マジック 孫悟空誕生』)
【出演】トニー・ジャー、ウー・ジン、サイモン・ヤム、ルイス・クー、マックス・チャン
【配給】ツイン
【5段階評価】★★★★★
【鑑賞劇場】シネマート新宿
【鑑賞料金】1,300円(TCG会員)

******************************************************************************************

⑨『アンチポルノ』(1/28)

個々の作品デンデンはともかく今さら名前も地位もあるオジン監督ばかり揃え
女性監督や無名の若手監督の1人もいない今回の“ロマンポルノ・リブート”を、
全然支持する気にはなれないんだけどそれでも本作を観に行ったのはもちろん
2016年の“人妻・オブ・ザ・イヤー”筒井真理子さんが脱いでおられるからだ!
で、今年もブレそうにない己の熟女好きをあらためて確認できたのはともかく
映画的には案の定観なくてもよかったかなと思いつつ途中まで観ていたものの
しかし、ロマンポルノといったら70年代の作品ばかりがモテ囃されがちな中で、
おそらく1人気を吐くように80年代風の狂騒的作品を撮っている園子温監督は、
実はこの企画を最も理解しているようにも思われ官能だの繊細な心理描写だの
んなもん知るか!と言わんばかりの傍若無人なやりたい放題ぶりに最後はもう
「わかったわかった降参!」という感じで、拍手したい気持になってしまった。
まぁ、基本的にはこの監督らしく露悪的かつ幼稚な内容でつまんなかったけど。
真理子さんも素晴らしかったが主演の子もい~体をしていらっしゃいました♪


美魔女なんて安っぽい言葉もフッ飛びます。

『アンチポルノ』(2016年・日本/カラー/5.1CH/ビスタ/78分)
【監督】園子温(『俺は園子温だ!』『自転車吐息』『性戯の達人 女体壺さぐり』『自殺サークル』『Strange Circus 奇妙なサーカス』『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』『恋の罪』『地獄でなぜ悪い』)
【出演】冨手麻妙、筒井真理子、不二子、小谷早弥花、吉牟田眞奈、麻美、下村愛、福田愛美、貴山侑哉
【配給】日活
【5段階評価】★★★☆☆
【鑑賞劇場】新宿武蔵野館
【鑑賞料金】1,500円(クーポン使用)

******************************************************************************************

⑩『沈黙-サイレンス-』(1/29)

もうぐったり。キリスト教の話なのに描かれるのは無間地獄とはこれいかに?
真の信仰やそれに基づく愛とは何か? 人間や社会っていったいなんだ…?と、
深々考えさせられるとともにお上の徹底したキリシタン弾圧の用意周到ぶりと
残酷絵巻にド肝を抜かれるスコセッシ監督面目躍如の拷問映画の金字塔にして
これぞホントの「日本スゴイ」映画!? 2時間半ひたすら地獄だった…。疲れた。


俳優・塚本晋也ここに極まれりの感。

『沈黙-サイレンス-』(2016年・アメリカ/カラー/162分)
【監督】マーティン・スコセッシ(『アリスの恋』『タクシードライバー』『ラスト・ワルツ』『レイジング・ブル』『グッドフェローズ』『ケープ・フィアー』『カジノ』『クンドゥン』『救命士』『ギャング・オブ・ニューヨーク』『アビエイター』『ディパーテッド』『シャッター アイランド』『ヒューゴの不思議な発明』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』)
【出演】アンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライヴァー、浅野忠信、窪塚洋介、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシ、リーアム・ニーソン
【配給】KADOKAWA
【5段階評価】★★★★☆
【鑑賞劇場】TOHOシネマズスカラ座(日比谷)
【鑑賞料金】ポイント鑑賞

******************************************************************************************

⑪『感じるつちんこ ヤリ放題!』(1/31)

小袋良男です! 誰だよあの役演じた新劇の役者みたいな人? あー面白かった!
『ロブスター』や『マジカル・ガール』よりよほどシュールで人を喰っていて
ロジャー・コーマンよりチープなキテレツ珍獣艶笑喜劇。(どんなジャンルだ?)
予測も深読みもいっさい拒否して、観る者を心地好く諦めの境地に誘う怪快作。
ヘタな作家風情が撮ればそれこそシュールでしょ?みたいな狙いが透けて見え
イライラしそうなところをまんまとスリ抜ける、これぞいまおか演出の真骨頂。
涼川絢音の浮世離れした雰囲気も作品の世界観とマッチしていて配役の勝利!
テーマなんてきっと何もないけど窮屈な世を生き抜くヒントが本作にはある!?


今やピンク映画に必要不可欠です。

『感じるつちんこ ヤリ放題!』(2016年・日本/カラー/70分)
【監督】いまおかしんじ(『たまもの』(原題:熟女・発情 タマしゃぶり)『かえるのうた』(原題:援助交際物語 したがるオンナたち)『おじさん天国』(原題:絶倫絶女)『白日夢』『ゴーストキス』『若きロッテちゃんの悩み』『UNDERWATER LOVE おんなの河童』『川下さんは何度もやってくる』『つぐない 新宿ゴールデン街の女』『妻が恋した夏』『帰れない三人 快感は終わらない』)
【出演】涼川絢音、安野由美、月本愛、伊藤清美、櫻井拓也、二ノ宮隆太郎、守屋文雄、松永祐樹、松原正隆、岡田智宏、川瀬陽太、佐藤宏、内藤忠司
【配給】OP映画
【5段階評価】★★★★☆
【鑑賞劇場】上野オークラ劇場
【鑑賞料金】1,600円(3本勃)

******************************************************************************************

⑫『いくつになってもやりたい男と女』(1/31)

これは、ポレポレ東中野で2008年に『たそがれ』の題で観て以来。泣けたぁ~。
ロマンポルノ・リブートもいいけれどやっぱりボクは今やメインストリームの
ロマポより“この映画の世界の片隅に”細々と咲くピンク映画のペーソスが好き。
この味わいが、リブートには感じられないピンク映画独特の世界観なんだよな。
昨年の『夢の女』にも並ぶ老いらくの恋を絶妙なユーモアと粋で描いた傑作!
主人公のフナやんが「お○こ触って」という病床の奥さんの最期の女の望みを、
唇を噛みながら叶えてあげるシーンに涙々…。最近はこういうのにホント弱い。
これこそ上野オークラ劇場のお客さんたちにぴったりのピンク映画だと思う!


ピンク版『人生フルーツ』!(ウソ)

『いくつになってもやりたい男と女』(2007年・日本/カラー/64分)
【監督】いまおかしんじ
【出演】多賀勝一、並木橋靖子、速水今日子、吉岡研治、小谷可南子、福田善晴、高見国一
【配給】新東宝映画
【5段階評価】★★★★☆
【鑑賞劇場】同上
【鑑賞料金】同上

******************************************************************************************

⑬『昼下がりの教室 教壇に立つ女(原題:高校牝教師-汚された性-)』(1/31)

突飛な設定やユーモアがまるでない分、監督の基本的な巧さがよくわかる佳作。
というワケで今回のいまおかしんじ監督特集は実に見事な3本勃でありました。


こういう女優さん今は何してるんだろう?

『昼下がりの教室 教壇に立つ女』(2001年・日本/カラー/60分)
【監督】今岡信治
【出演】仲西さやか、鈴木敦子、武田まこ、河合誠、田島英治、藤木誠人、伊藤猛
【配給】エクセス
【5段階評価】★★★☆☆
【鑑賞劇場】同上
【鑑賞料金】同上