映画みたいに印パの関係もきっと、うまく…いってほしい 『PK ピーケイ』

噂に違わず面白かった!…けど、今再びインドとパキスタンの関係が悪化し、
それがついに両国の映画界にまで及んでいる現状を考えると最高にハッピーなラストもちょっと複雑…。
でもまぁそれはともかくこういうインド映画がヒットするのは本当によろこばしい。
地球へやって来たものの宇宙船のリモコンを盗まれ帰れなくなってしまった宇宙人pkが、
みんなが拝んでいる神様に自分も頼んでリモコンを返してもらおうと奔走する物語。
ところがpkは無垢だから神様にもいろいろあることやそれぞれを信じる人々同士の微妙な関係などいっさい知らず、
結果ズケズケと宗教の矛盾に喰い込んでいってしまうのだ。
なにしろそんな日本人には想像もつかないストーリーがダイナミックで圧倒的!
映画はそんなpkと、留学先の海外でパキスタン人の恋人を失った傷心を抱えつつも、
pkをTVに出演させインチキ宗教家と対決させようとするインド人の女性TVマンとの交流を軸に進んでゆく。
一見はおバカなコメディを装いながら宗教のタブーに真正面から切り込む勇気はさすがインド映画!
pkがインチキ導師をねじ伏せるシーンは痛快かつ深淵の極みで、
彼が説く真の信仰のあり方は神の名の元に行われる不毛なテロをも徹底的に非難する。
その後に訪れる愛のクライマックスも他の国の映画ならえぇ~!?って感じだけど、
しかし本作の場合あの2人の関係にこそ印パ友好への願いが込められているから素直に感動。
逆にpkのジャグーに対する無償の愛はまるで古典映画のようでカセットテープのオチはちょっぴり気恥ずかしくもグッとくる。
ただ、『きっと、うまくいく』もそうなんだけどこの監督の映画はちょっと筋立が数学的すぎるというか余白に“詩”を感じないため胸をガッサガサに揺さぶられるという感じとは少し違うのが個人的にはもう一つ。
だけどこんな壮大な物語はインド映画にしか創れないしとにかく賑やかで2時間半全然厭きなかった!(800字)

pk

『PK ピーケイ』(2014年・インド/カラー/シネスコ/153分)
【監督】ラージクマール・ヒラニ(『きっと、うまくいく』)
【出演】アーミル・カーン、アヌシュカ・シャルマ、スシャント・シン・ラージプート、サンジャイ・ダット、ボーマン・イラニ
【配給】日活
【5段階評価】
【鑑賞劇場】YEBISU GARDEN CINEMA
【鑑賞料金】ポイント鑑賞い